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寒さなんか、何のその

 
 久しぶりに、真夜中の徘徊があった。

 ガタガタと、音がしているのに気付いてはいたが、そのままにして、まどろんでいた。
 いつもの、"トイレ・ハイキング"の時間であったし、1、2時間で止むからである。
 最近は、注意しても反抗するだけで、やめないからもある。

 まもなく、静かになった。
 うつらうつらしながら、良かったと安堵したが、静かすぎる。
 ちょっとの間をおいても、静かすぎる。
 いやな予感がした。
 しばらく無かった"真夜中のハイキング"が、起こっていた。

 月曜から土曜日まで、デイサービスに行くようになって、大変助かるし、心配することも無くなった。
 世の中、そう良いことだけでは、済まないようだ。
 逆に、24時間、いつでもデイサービスに、行きたがるようになった。
 夜の食事を終えた時や、風呂に入って一息ついた時にも、行きたがる。
 介護センターの方々の協力も得て、"介護センターは遠い"、と思わせているので、行きたがっても、一人で出かけることは、なくなっていた。
 しかし、効果は、なかったようである。

 今は、冬。
 車での送り迎えのため、上着だけで、コートは出していない。
 そして、真夜中。
 すぐに、警察から連絡はあると思うが、この寒さの中、コートなしで出かけたのだ。

 急いで着替え、捜しに向かった。
 すぐに、見つかった。
 警察でいうところの、"午前2時18分、駐車場の車の陰で確保"、である。
 寒さに、震えていた。
 手をつかむと、冷たい。
 ずいぶん前に、出たようだ。

 東京の警察官は、非常に親切である。
 田舎には、いまだに残っている"オイ、コラ"の名残りは、みじんもない。
 一番最初の徘徊で保護された時は、1泊した。
 それ以降は、登録されたようで、連れてきてくれる。
 今はデイサービスに行っているので、昼間は心配ないが、前に保護された時は、
「本日、○○時ごろ、○○近くで保護しました」
「ご自宅に、お連れしておきました」
と、留守電が入っていた。
 こちらの仕事にも、気を使ってくれるほど、親切なのである。
 今回は、お世話にならずに済んだ。

 翌朝、何ごとも無かったかのような顔をしている。
 聞いてみた。
 知らないと、言う。
 4時間ほど前のことである。
 外出などしていないと、言う。
 本当に、覚えていない顔である。
 こちらが夢だったのかと思うほど、していないと言い張る。
 ふと、こちらまで発病したのか、と思ってしまうほどの、きっばりした返事である。

 人間、相手の自信にあふれた発言には、信じていることでも自信が無くなり、不安になるものである。
 心配になって、玄関にいってみた。
 クツも移動しているし、汚れている。
 介護センターに持っていくカバンも、土で汚れている。

 今までは、何も覚えていなかったことは、なかった。
 何がしかは、覚えていた。
 ますます、症状が進んでいるようである。
 生命に、危険のある行動が始まったら、あきらめざるを得まい。
 残り、どのくらいあるのか、知りたいものだ。

 風邪は、ひかなかったようだ。
 今は、穏やかな顔をしている。
 
 
 

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コメント

事故にも遭わずすぐに見つかったこと、
寒い時期にもかかわらず風邪をひかなかったこと、
本当に好運でしたね。
ご心配と寝不足で体調崩されませんように!

投稿: ちゃぼぼ | 2007年12月18日 (火) 23時23分

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