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夢の中で、夢を見る

 
 何かの音で、目が覚める。
 昨夜は熟睡できなかったので、ウトウトしてしまったようだ。
 まだ日にちは変わっておらず、夜半前である。
 確かに、何かの音がしている。
 絶え間なく、繰り返している音だ。
 わずかに聞こえるだけの音ではあるが、"かすかな震動"を、伴っている。
 最上階に住んでいるので、上からの音はあり得ないし、下の階からの音が聞こえたことはない。
 隣家からの音でも、なさそうだ。
 窓を、開けてみる。
 表からの音では、ない。
 もしやと思い、見に行く。
 震源地は、ここだった。

 仰向けに寝ながら、ふとんの上をドンドンと、叩いている。
 祭りの夢でも見ていて、太鼓でも叩いているのだろうか。
 しかし、昔からの記憶をたどっても、祭りで、太鼓など叩いていたことは、なかったと思う。
 田舎での太鼓叩きは、男の役割である。
 デイサービスでの予定表から類推しても、そのような動作は納得できない。

 どう見ても、眠っている。
 まだ"夜のハイキング"などの活動には、時刻的に、ちょっと早すぎる。
 どんな夢を見ているのか聞きたくなって、声をかけようと思ったが、やめた。
 子どものころ、"夢を見ている人には、声をかけてはならない"と言われたのを、思い出したからである。
 特に、"ひとり言を言っているのには、答えてはならない"、と。
 夢の世界に連れて行かれてしまうのか、気が狂ってしまうのか、魑魅魍魎の世界に引き込まれるのかどうかは、忘れてしまった。
  
 ふと、疑問がわく。
 夢の中にいる様になって見る夢は、どんな夢なのだろうか。
 アルツハイマーになっても、まだ確かな部分はあるのだから、しっかりした夢は見ると思う。
 昨日のことは忘れても、昔のことは、今でも良く覚えている。
 きっと、昔の懐かしい思い出を、楽しんでいるのだろう。

 大人になってからは、夢のできごとか、現実のものかは、はっきり認識できる。
 内容的には、現実の世界の人とのかかわりであったり、実際に見た映画などのシーンであったり、望みが夢で実現できたり、ほぼ納得できる夢だ。

 子どもの頃は、どうであったか、よく覚えていない。
 人と会ったり、スポーツなどをしたり、どこかに出かけたりなど、現実に近い夢ではなかったように思う。
 こわい夢だったり、とても嫌な夢だったり、感情が中心の夢だった気がする。

 現実が理解できなくなった時の夢は、やはり現実とは,かけ離れた夢なのか。
 そして、その夢さえ理解できなくなった時には、・・・・。
 いくら考えても、答えは見つかりそうもない。

 まだ続いている。
 
 

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コメント

昨日たまたまTVで「地獄とは他人のことだ」という
サルトルの言葉を耳にしました。
他人との関わりが少しずつ減って自分の世界だけになる・・・、
それって天国のようなもの?と思ったけど、
想い出や想像の夢でひとりぼっちなんて寂しすぎる。
夢ぐらい楽しいものであって欲しいですね。

なぜか分からないけど、うちのおじいさんも
よく壁やベッドの柵を無意味に
コンコンコンコンコンコンコンコン・・・(エンドレス)
本人は意識してやっているわけではないようです。

投稿: ちゃぼぼ | 2007年12月 8日 (土) 11時03分

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