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やっと都会人になった

 
 心地良い、快晴。
 車の窓を、少し開ける。
 ほのかに頬をなでて通り過ぎる風は、寒さを感じさせない。
 朝食時に聞こえていたテレビの天気予報で、今日は気温が上がり、3月下旬の陽気になるといっていた。

「ドライブに、行く?」
「行く」
「どこへ、行く?」
「どこでも、いい」
「山、海?」
「海」
「どこの海?」
「太平洋」
 小1時間ほど前に、いつもの儀式をとり行い、現在、ひたすら"太平洋"に向かって進んでいる。

 助手席から、クシャミが聞こえる。
 鼻を、かみはじめた。 
 休む間もなく、動作を繰り返している。
 いつもと、違う。
「風邪を、ひいたの?」
「ひいてない」
「クシャミを、しているじゃない」
「鼻が、ムズムズするだけ」
「熱は、あるの?」
「ない」
と言いながら、また、鼻をかむ。
「頭は、痛くないの?」
「痛くない」
「熱は、ないの?」
「ない」
 頭痛を我慢している様子もなければ、声にも変化はない。
 リモートで、助手席側の窓も、閉める。
 しばらくすると、クシャミは止む。
 
 高速道をおり、しばらくすると、枯れ野原ではあるが、自然が満ち満ちて来た。
 新鮮な空気を求めて、窓を数センチ開ける。
 程よく冷えた、心地よい空気が、まとわりつく。
 また、クシャミが始まった。 
 そういえば、天気予報では、花粉も飛ぶと言っていた。
 
 花粉症の症状を、思い起こす。
 "くしゃみが何度も出る"は、そのままである。
 "鼻水がどんどん出てくる"も、当たっている。
 花粉症になったのだ。

 しかし、聞いたところによると、花粉症の原因であるIgE抗体なるものの役目は、"寄生虫"のための抗体だと記憶している。
 花粉症の患者が、都市部に多いことが、有力な証拠になっているそうである。
 関連や意味は、よく理解できない。

 そうだとすれば、田舎育ちで、かつ昔の環境育ちだから、寄生虫への防御は、万全なはずだ。
 IgE抗体も、正常に機能していたはずである。
 だが、都会に出てきて、早や10年経つ。
 都会人になって、IgE抗体の"近代的な活躍の舞台"が、やっと出そろったのだろうか。

 今の車は、外気を取り込む時に、花粉も取り除くフィルターが付いている。
 クシャミも、止まった。
 輝く太陽も、薄曇りに隠れて、眩しさも解消された。
 絶好な"ドライブの日"が、続く。

 この次に、母の妹たちに会う時、いばれることが一つ増えたようだ。
 
 


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