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アジサイが咲く

 
 迎えに行く。
 玄関から入った奥の正面に、何やらぶら下がっている。
 天井からつり下げられた大きなボール紙らしきものに、大輪が1つ、その周りに小輪が5個ほど、貼り付けられている。
 アジサイだ。

 母が出てくる間に、見知った職員に聞いてみた。
 みんなで、花びらを折り紙で作ったそうだ。
 なるほど、ものすごい数の花びらが。張り付けられている。
 中央の大輪は、実物以上に盛り上がり、立体感がある。
 赤紫から青紫と、各色も揃っている。
 色だけでなく折り方も様々で、姿かたちから、多数の人の作品が張り付けられており、臨場感を醸し出している。
 咲き始めの青色のイメージはあるが、鮮やかさには欠ける。
 雨に打たれたあの青さは、無理のようだ。
 デフォルメされていると思えば、立派である。

 庭先で見かけるアジサイは、ほとんどがイヨウアジサイだ。
 七変化が素晴らしい。
 日本原産のガクアジサイを、長年にわたって改良された品種だと聞いたことがある。
 "花"だと言われている部分は"ガク(萼)"という部分にあたり、本来の花は中心部で小さく目立たない。
 セイヨウアジサイでは、すべてが装飾花に変化している。
 など雑談していると、帰りの支度もできたようで出てきた。

 デイサービスでの出来事は、くどいほど話す。
 日にちは"混ぜこぜ"になってしまったが、何から何まで全部、繰り返し報告する。
 でも、アジサイの件は、会話の中には出てきていない。

 聞いてみた。
「アジサイを作ったの」
「作ってないよ」
 きっぱりと否定された。
 アジサイの全体を、1人で作らなかったからだろうか。
 アジサイの花びらを数個作っただけでは、アジサイとは認識できなかったのか、それとも認めなかったのか。
 いづれにしても、作っていないという。
 
 そういえば、送迎の途中では、見かけなかった。
 注意して見ていなかったので、アジサイが咲いているのに気付かなかっただけかも知れない。
 部屋から眺めおろす公園にも植えてあるが、数は少ない。
 14階のベランダからは、とても鑑賞できるほどの数量は、植栽されていない。

「今日のお昼は、タマゴ焼きがでた。おいしかった」
「おやつに、蒸しパンが出た。おいしかった」
「みんなで塗り絵をやった。楽しかった」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いつもの通り、聞き流していると、
「折り紙で、花を作った。
  ~ みんなで作った花を、大きな紙に貼った」

 ずいぶん前のようだが、小さな疑問が、また1つ解決した。

 雨がシトシト降る中に、アジサイは似合う。
 アジサイといえば、濡れていなければ、いけない。
 紙に貼られた花は、花として認めても、乾いていてはアジサイと認めてもらえないようだ。
 いっぱいのアジサイが植栽されている公園が近くにある。
 今度、雨が降ったら、遠回りしよう。

 そして、再来週の診療のための帰省では、田舎のアジサイも訪ねてみよう。
 
 


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