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久しぶりに洗濯のお手伝い

 
 窓を開け放つと、すがすがしい風が一気に入り込んでくる。
 暑さに順応した身体には、やや肌寒さを感じる。
 いつの間にか、夏の暑さは過ぎ去ったようだ。
 耳を澄ましても、セミの鳴き声は聞こえない。
 差し込んでくる陽の光も、心なしか優しくなった。
 
 今日は日曜日、デイサービスも休みである。
 いつものように、いつもの工程が、消化されていく。
 食事の後片付けに入ると、寝室の戸の閉まる音がする。
 デイサービスに行くことも忘れ、布団に入りこむことが多くなった。
 日曜日だから"老人会"に行けないので寝ようと、高度な判断を下しての行動では、決してない。

 ちょっと前までは、注意を促す努力をしていたが、すべてが徒労に終わる虚しさから、今では"為すがまま"にしている。
 必要なその時その時に、声をかけることにした。

 食器洗いも終わり、残りは洗濯だけである。
 食事を準備する前に、洗濯機のスイッチを入れておけば、時間の節約にはなるのだが、食事の前に汚物を見たくない気持ちは、いまだに治すに至っていない。
 紙オムツを交換するのが、精一杯である。

 来週は、診療のため帰省する。
 ドライブに連れていくことも、なかろう。
 起こすこともせず、朝の最後の作業に取り掛かる。

 ふと、主治医のアドバイスを思い出しす。
「些細なことでも、できることはさせた方が良い」

 ディサービスでは、1日置きに入浴が予定されているのだが、最近は"お漏らし"のため、毎日のように入浴してくる。
 当然、着ている物すべてを着替えてくる。
 こちらの衣服は、介護センターの職員がある程度チェックしてくれているので、そのまま洗濯機に入れても問題ない。

 起きるように声をかける。
 ふすま越しに何度も声をかけ、出てくるように促す。
 食事前に着替えたパジャマと下着を、そのまま洗濯機に入れて良いかを、すばやく目でチェックする。
 大丈夫なようだ。
 洗濯機に入れてくるように言う。
 洗濯機がどこにあるかから、始まる。
 設置場所に連れていったり、一通りのことをこなす。
 長い長い時間が、過ぎていく。
 わかったようだ。
 こちらは、野菜類への水やりを始める。
 ベランダに、小さいながらも、栽培している。

 予想もしないトイレのドアの開け閉めの音がする。
 何かが、変だ、
 血の気が、引く。
 飛ぶように、向かう。
 ドアを、開ける。

 便器の中に、洗濯物するはずの衣類が詰め込まれていた。
 
 


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