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何年かぶりの風邪?

 
 午後3時ちょっと前、電話が鳴る。
 介護センターからだ。
 受話器を取ると、聞きなれた声が聞こえる。
 半年くらいで担当者が代わるものの、今の人はそれに近い長さなので、声を聞けば分る。
 いつもより、深刻な声だ。

 来所時の体温が37℃8分だったため、横にさせたそうだ。
 昼食も2、3口しか食べず元気がないし、歩くときに膝折れもするので、風邪と判断したようである。
 はっきりは言わないが、早めに引き取って欲しい雰囲気だ。

 土曜日だけ、帰りは施設の車で送ってもらっている。
 迎えの運転をしなくても良いので、昼間から酒を楽しめる日である。
 先ほどまで、先輩たちに誘われ、イッパイやっていた。
 迎えに行けない由を告げると、いつもより10分ほど遅くなるが、送ってくれるという。
 風邪が他の同乗人にうつると困るので、専用車を出すともいう。
 いつもの待ち合わせ場所で待っていればよいのかと聞くと、部屋まで送ってくれるという。
 何か大変な事態になったようだ。

 今朝、出かけるときに、異常は感じなかった。
 日々とは言わないまでも、着実に夢の世界に埋没しているのを、感じる時の方が多くなっている。
 これで転倒でもして骨折しようものなら、寝たきりで身体と精神ともに完璧な要介護5になってしまう。
 一番の恐怖である。

 北風の吹く季節、外で待つのもつらいが、事態が良く分らず、自宅でじっと待つのも、結構つらいものである。
 1分が長く感じる。
 チャイムが鳴る。
 約束時刻には、まだ早い。
 インターホンを通じて、だれかと訪ねる。
 介護センターだという。
 早く着いたのだ。
 玄関のドアを開ける。

 何と、2人の職員を従えての"お帰り"だ。
 それも、馬車ならぬ"車いす"での帰宅である。
 2人とも、いつもの明るい顔ではなく、深刻な顔をしている。
 "主人公"も、2人に合わせて深刻な顔をしている。

 こちらが驚く番である。
 主人公は、2人の介助を受けながら、車いすから降りる。
 朝とは様変わりで、弱々しい。
 この時刻では、病院の診療は終わっている。
 明日は日曜日で、どの病院も休診だろう。
 こちらに引き取ると同度に、緊急の事態に備えるため、無理やり車いすを借りる。
 最悪の事態が頭をよぎる。
 いずれ訪れるであろうと覚悟はしているが、予兆もなくやって来るとは思わなかった。
 
 


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