« 正月も無事に越した | トップページ | 夜中の演奏は身体が冷える(2) »

夜中の演奏は身体が冷える

 
 今日も、布団を叩く音がこだまする。
 体力が落ちたため、トイレ・ハイキングは消えたものの、代替えとして、新たな行動を"考案"した。
 寝たまま、布団から腕を出し、パタパタと叩いている。
 かつてのトイレ・ハイキングは1、2時間でお開きになるが、こちらは夜通し続く。
 寝たままだから、体力の消耗も少ないのだろう。

 最近、朝に声をかけても、なかなか起きてこない。
 すぐに起きてこないのは前からだが、10分近くも出てこないと、心配になってくる。
「朝だよ」
「    」
「起きる時間だよ」
「    」
「朝ごはんの時間だよ」
「    」
 返事がない。
 いやになるほど、声をかける。
 ずいぶん時間が経過すると、もぞもぞ動いているような音は伝わってくるが、はっきりした音にはなっていない。
 おかずの1品は出来あがった。

 ふすま越しに、しつこく催促する。
 かぼそい声がする。
 聞き取ろうと、耳を傾ける。
 今までにない言葉が、耳に入る。
「起きられない」

 始めは、いよいよ起きることも、忘れたのかと思った。
 布団がすれる音はするものの、起き上がったような音は伝わって来ない。
 どうも様子がおかしい。
 急いで、ふすまを開ける。
 布団の上で、うごめいていた。

 掛け布団ははだけ、パジャマだけの姿で、もがいている。
 布団からは、完全にむき出しになっている。
 冗談で笑える状況ではなさそうだ。
 起こそうと、身体に触れる。
 信じられない間隔が伝わる。
 全身が冷たくなっている。
 とても生きている人間の体温ではない。

 急いで、居間に連れて行き、こたつにもぐり込ませる。
 大丈夫かと聞くと、大丈夫と答える。
 寒くないかと聞くと、寒くないと言う。
 すでに寒いとの感覚も、鈍くなっているようだ。
 食後に飲む牛乳を温め、飲ませる。
 程なく、体温は戻った。

 その後の食欲は、旺盛だった。
 そして、元気に"老人会"に向かった。

 "室内で凍死"では、シャレにならない。
 
 


« 正月も無事に越した | トップページ | 夜中の演奏は身体が冷える(2) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218054/47229947

この記事へのトラックバック一覧です: 夜中の演奏は身体が冷える:

« 正月も無事に越した | トップページ | 夜中の演奏は身体が冷える(2) »