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チリ地震の余波

 
 今日こそ、目的の"常夏の地"へと向かう。
 朝食を、1時間早めに済ませた。
 主役は、早めの食事とは認識していないようだ。
 着替えに入ると、"老人会"に向かうと認識したようで、身体全身から、喜びの雰囲気が発せられる。
 日課の1つに加わった床ずれの処置をする。
 尾てい骨の所が、薄く出血している。
 医師からは、完治しているのだが、薄い皮膚しか蘇生しないため、柔らかいシールを貼って保護するように指示されている。
 本人は、何度聞いても、痛くないという。
 感覚を失ったのか、本当に痛みがないのかは分らない。

 車は、目的地に向かって順調に走っている。
 渋滞もない。
 助手席は静かなものの、今日は前方を見据えている。
 目的地までの自動車道は完成しておらず、いったん一般道に出て、再び自動車道に入る。
 もうまもなく、最終出口に着くはずだ。
 最後のSAに、寄る。
 トイレタイムではない。
 ここの"だれでもトイレ"は、駐車場から少し離れている。
 今の歩き方では、ちよっと無理だろう。
 地元の野菜が売っているので、覗いてみることにしたのだ。

 野菜類を仕入れ、手作りの弁当も手に入れ、本線に入る。
 料金所を出る。
 60肩になってしまい、右手が水平以上を上げると痛む者にとっては、ETCは有難い。
 知らず知らずのうちに、技術の恩恵にあずかっているようだ。

 市街地を避け、海岸に向かう。
 何度も訪れている地ではあるが、カーナビは助かる。
 一気に海が目の前に広がる。
「海が見えるよ」
 はずんだ声が聞こえ始めた。
 海岸をしばらく走ると、海と反対側に花畑が広がる。
 時おり、小雨まじりの天候なのだが、10数台の観光バスが見事といえるほど整然と駐車している。
 花畑の中には、花を求めた人々が群がっている。
 近くの"道の駅"の駐車場は、満車との表記が出ており、誘導員が入れない由を全身で訴えている。
 こちらは、レストランで食事が出来る状態でもないし、観光客を相手にしているこの場所で、海産物を買うつもりもない。
 ちっちやな渋滞を抜け、再度、海岸線に向かう。

 消防車が、カーン、カーンと鐘を鳴らして走っている。
 火事が収まりました、と知らせる時の動作なのだが、さっきも見かけた。
 助手席との会話も途切れたため、ラジオをつける。
 チリでの地震による津波のニュースを流している。
 どうも、そのことを住人に知らせているようだ。
 日本には、北海道が午後1時半ごろ、名古屋辺りには4時ごろ到達するという。
 今は11時、あと数時間でこちらにも津波がやってくる危険があるという。
 海岸の見えるところで昼食を取る楽しみは大丈夫のようだ。
 その後も、1時間ほど海岸を走るだけである。

 目的地に着いた。
 本来なら、浜辺で弁当を広げたいのだが、雨は止んだものの、屋外で楽しむ気温ではない。
 車内で、楽しむことにした。
 波は、やや大きいが、それほどでもない。
 砂浜からだいぶ離れた岩礁に打ち付ける波間に、カモメが群れをなしている。
 小魚でも、狙っているのか。

 さすがに、ウインドサーフィンなどをしている人は見かけない。
 雰囲気が暗い海も、なかなかオツなものである。
 ラジオは、津波に関する放送を、延々と流している。
 よほどの危険が迫っているようだ。
 眺めていたい気もするが、助手席は飽きたようだ。
 目的の海岸線に向かう。
 正月ごろでも迎えてくれる菜の花が、道の両側に満開になっている。
 2か月も持たないだろうから、植え替えているのだろう。
 何度見ても、延々と続く黄色い花道は見事である。

 目的は、遂げた。
 津波の前に、帰路についた。
 
 


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