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好きなオカズが変わった

 
 食事に入る。
 無心で食べている。
 テレビは、見ようともしない。

 そろそろ、口がいっぱいになった。
 お椀と箸を置くようにいう。
 少し多めに入ってしまったようだ。
 もぐもくしているが、なかなか飲み込めないでいる。

 主治医から、飲み込みについて、注意されている。
 食べ物の欠けらが肺の方に入ってしまうと、肺炎などの原因となり、亡くなることも多いそうだ。
 幸いなことに、むせることは、ほとんどない。
 箸も、上手とは言えないまでも、使って食べることができる。
 時たま、素手でつかむこともあるが、自分で食べれる。
 介護としては、楽である。

 ゆっくり飲むように指示すれば、味噌汁も、口の両脇から多少こぼれるのを我慢すれば、1人で飲める。
 飲むことが困難になったり、せき込むようになったら、とろみを付けるようにも言われているが、まだ大丈夫である。

 おかずも、通常のものを出している。
 介護生活に入って、消えたものは、骨付き魚である。
 それと、つまみにくい物は、天ぷらに加えたり、タマゴ焼きに入れたりして、つまみやすくしている。
 とても固い物も、避けている。

 この1年で、状態は大きく変わってしまっている。
 特に、数ヶ月前からの変化には、戸惑うばかりである。
 まともな食べ方ではなくなり、目は離せなくなった。
 ミカンを出しておいたら、いっきに口に入れてしまう。
 口からジュースが溢れだしても、次を入れようとする。

 大好きなおかずは、何といっても刺身である。
 刺身といっても、高級なものを好むわけではない。
 マグロ、一筋である。
 イカやタコなどの固い物は、口を付けても残す。
 アワビは見向きもしないから、食卓に登場したことはない。
 その他の白身魚は、気分が良い日には箸を付けるが、美味しそうな様子はうかがえない。
 それ以来、マグロ以外は、食卓に並ばない。
 詳しくは知らないが、マグロにはEPA、DHA、セレン、タウリンなどが含まれていて、高齢者には、とても良いと聞く。
 夏の最盛期を除いて、できるだけ出すようにしている。

 出せば、真っ先に食べてしまう。
 ひどい時には、ご飯も食べずにである。
 それが、今日は箸を付けていない。
 他のオカズを食べている。

「刺身は食べないの」
「食べるよ」
 やっと、箸を付けた。
 でも、今までの美味しそうな顔は、しなかった。

 ここ数週間、新たな話題を提供し続けてくれる。
 変化する出来ごとに、驚愕する日々が増えた。
 
 


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