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屋内で遭難?

 
 クマ笹が、風に吹かれ、音を出している。
 夢だった。
 不思議な夢だと、苦笑する。

 再度、眠りに就こうとする。
 かすかな音を感じる。
 耳を澄ます。
 確かに、音がしている。
 14階だし、夏ではないので、ベランダの戸も閉めてある。
 泥棒に入られるような財産が無いことは、専門家なら一目瞭然だろう。

 音は、洗い場から聞こえる。
 一気に眠気が吹き飛ぶ。
 飛び起き、洗い場に入る。
 パジャマ姿の母がいた。
 デイサービスに行く時に持っていく手提げ袋を、両手で抱えている。
 声をかける。
 返事がない。
 繰り返し、声をかける。
「動けない」
 かすかな声が、口から洩れでる。
 身体に触れる。
 冷たい。
 手足だけでなく、背中も冷え切っている。
 とても、生きている人の体温ではない。
 抱きかかえ、すばやく居間に運ぶ。
 一瞬、救急車の手配を、と考える。
 まだ意識は、しっかりしている。
 大丈夫のようだ。
 とりあえず、生き返った。

 1度、布団をはだけで寝たために、同じように体温が下がってしまったことがあった。
 それ以来、"お漏らしによる感電を覚悟の上で、電気毛布も取りだした。
 居間の暖房も点けておいて、暖気が入り込むように、母の寝室のドアを開けておくようにしている。
 洗い場までは、想定していなかった。
 失策であった。

 ベランダから外を見る。
 粉雪が、舞っていた。
 
 


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